絶滅危惧種扱いになって図らずも有名になってしまった感のある淡水魚です。そういや私もこいつらが遊泳してる姿ってそうそう見てるわけじゃなかったですね。
最初にみた、というか強烈な印象として残っているのは、幼稚園か小学生のときに(4半世紀以上前)、瀬戸内海に浮かぶ家島諸島に行った時でした。島の小さな池で群をなして泳ぐメダカの姿は今も覚えてます。といいつつ勘違いかもとか思ってたんですが、今年(1999年)になって確かに家島諸島にメダカがいることを聞きました。
その後東京に住んでた時、ミジンコをとる為に近くの田んぼ(小田急鶴川駅と柿生駅の間)の水を少し取り、日光の当たる水槽の中に入れてました。数日(数週間?)後のある日に中を見ると、小さな小さな魚が泳いでたんですね。しばらくたってメダカだということが判りました。田んぼで水をとった時に卵が入ったんでしょう。
餌もやらずにいましたが日光は当たるし水草や藻が生えてたので餌になるプランクトンもいたんでしょう、徐々に大きくなりました。引っ越しの際に知り合いの方に譲りましたが、たぶん元気に生きててくれたことと思います。
その後数年たって明石−加古川付近をうろうろしてみると…… 用水路に結構いたんですね、メダカが。ということで10匹捕まえて、自宅のバケツ池で育ててます。
静岡に住んでた際はついに見つかりませんでした。田んぼでドジョウは見つけたんですが。メダカは西日本で生き残っているところも多いと聞きます。
メダカといっても最近はグッピーやカダヤシやヒメダカが川等に結構いるみたいですね。
ヒメダカ(緋めだか)はメダカの飼育品種です。野生のメダカは黒っぽいですが(クロメダカとも言います)、白っぽいのが生まれたのを、ずっと白いのが出来るようにしたものです。メダカのアルビノでしょうか、あれは?
グッピー、カダヤシは元々日本にいなかったものです。グッピーは熱帯魚として飼育用に輸入されてたのが、育ててた人か業者が川や池に捨て、増えてったんでしょうか。カダヤシ(タップミノとも言う)はマラリア撲滅の為、媒体となる蚊を減らそうと、蚊の幼虫であるボウフラを食べさせる目的で台湾から輸入されたそうです。昭和の50年代には関東の江戸川下流の水路で野生化してたそうですが今はもっと増えているのかな? メダカは卵で増えますが、グッピーやカダヤシは卵をお腹で孵し、幼魚の形で出産します(卵胎生という)。
メダカは上からみると体形が逆三角形をしてます。で、体の中央に黒い筋が入り、その両脇が黄色っぽくあるいは銀色に光ってます(銀色に光るのはたぶん内臓だと思うんですが)。
横からみると尻びれが大きく、平行四辺形の形をしてます。カダヤシの尻びれはもっと丸い感じなので、メダカと区別が付きます。カダヤシはまだ撮影できてませんが、代わりにグッピーの尻びれと比べてみてください。でも川や用水路にいる段階では上からしか見えないから、尻びれなんてわかんないですけどね。
上記2点の画像は、2002年6月15日撮影したもの。神戸市西区の用水路で採取したメダカです。明石公園の北、新幹線の高架近くです。今まで公開してた画像は暗くてよくわからなかったので差し替えておきました。
ちなみに最初に話した「絶滅危惧種」というのは以下のとおりです。
- 絶滅の危機に瀕している種または亜種
もしも現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用するならば、その存続は困難なもの- 次のいずれかに該当する種または亜種
- 既知のすべての個体群で、個体数が危機的水準にまで減少している
- 既知のすべての生息地で、生息条件が著しく悪化している
- 既知の全ての個体群がその再生産能力を上回る捕獲、採取圧にさらされている
- ほとんどの分布域において交雑可能な別種・別亜種が侵入している
- それほど遠くない過去(30年〜50年)に生息記録があるがその後信頼すべき調査が行われていないため、絶滅したかどうか判断することが困難なもの
「日本の絶滅の恐れのある野生生物」−レッドデータブック− 環境庁編 1993年10月 初版第4刷 より抜粋
絶滅危惧種が更にヤバくなると絶滅種になります。場所によって生息数、自生地の様子、周辺の開発の状況等異なってきますので、十把ひとからげにしてどうこうとは言えないと思いますが、採取するなら最低限の数だけにするとか、生息できる環境を事前に用意しておくとか、ってこれは当たり前の事なんですけど。その辺の事をもう一回考えてからにしたほうがよさそうです。
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