学名は、北隆館『新日本動物圖鑑〔中〕(昭和63年5月10日9版発行)』より
近くの田んぼで見つけましたカイエビです。ホウネンエビやカブトエビとだいたい一緒にいます。大きさは1cm弱ってところでしょうか。
かなり昔から見てはいますが最初のころは一体なんなのかさっぱり判りませんでした。よく見ると透明の2枚貝(アサリみたいな)の中にホウネンエビみたいなのが入ってて動いているんですね。こういうのが身近にいるというのがとても不思議でした。数が少ない田んぼでも、しゃがみこんでじっと見ていると判りますし、数の多いところでは少し離れたところからでも何か動き回っているのが判るほどです。
エビと名前がつきますが、クルマエビや伊勢エビよりもミジンコやカブトエビ、ホウネンエビの方が仲間としては近いようです。
6月も半ばを過ぎると田んぼで「T」の文字が太ったような、そんなのが大量に泳いでいるのを見かけることがあります。たぶんカイエビが2匹繋がっているんだろうと思ってましたがやはりそうでした。交尾かなにかでしょうかね〜。
1999年6月22日に撮影。Tの字が太ったような、というのはこの画像のような事です。画像のはTが上下ひっくり返った形をしてますが。画像で言うと上側のカイエビが下側のカイエビを押すような感じで泳ぎ回ります。ということで田んぼをのぞき見るとTの字が泳ぎ回っているように見えるというわけです。Tというよりシュモクザメの頭って感じでしょうか。左上にゴミのようなものが写ってますが、これはアリマキです。アリマキでも大きさはいろいろありますけど、なんとなくでいいから大きさの比較になりますでしょうか(大きさの比較のために水面にアリマキを落としたわけじゃない)。
学名の種小名gifuensisは岐阜県の岐阜の事です。最初発見されたのが岐阜だったので、この学名になったとか。
2000年6月9日に撮影。2000年6月8日に田んぼから採取してきたカイエビです。食パンを入れるプラスチックの容器で育てようとしているところです。縁に多くのカイエビが集まっています。
田んぼでも縁によく集まりますが、縁から離れたところでも結構集まっています。集まり方は…… グレートウォールとボイドを発見する事になった銀河地図の感じ、といえばおわかりでしょうか。わかりませんか。画像を公開すれば手っ取り早いんですけど、こういうのに限って撮ってないんです。すんません。
2000年6月9日に撮影。近接撮影画像。デジカメのマクロ機能に加え、一眼レフカメラのマクロレンズの等倍アタッチメントレンズをデジカメのレンズの前におき、撮影しています。若干倍率が上がったような気がします。
このカイエビの大きさは3mmというところです。
2002年5月30日撮影。カメラを300万画素のCOOLPIX995に変えてます。シャーレに水とカイエビを入れ、シャーレの下に定規を置いて撮影してます。一番小さい目盛りが0.5mmなので、このカイエビは5.5mmの長さがあります。
左の小さなモノがカイミジンコで、右側の大きいほうがカイエビです。大きさがかなり違うのが判ると思います。
貝殻(?)に刻まれた年輪のような模様がなんとなく分かると思います。成長の過程で増えていくものなんでしょうかね?
しかしこいつら、田んぼの水が無くなる秋から春にかけての時期もよく生き残るなぁと感心します。もちろんこの状態で残るわけではなく、卵の状態で過ごすわけですが。こういうのを見ると、なぜそこまでして生き残る必要があるのかなぁってなことを時々考えたりします。
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