イネ

情報

イネ画像No.1

和名
イネ
学名
Oryza sativa var. japonica
撮影年月日
2002年6月12日
採集場所
兵庫県明石市内の田んぼ

怪説

最初の写真について

イネです。日本人の主食です。東アジアの主要な穀物です。日本では非常にメジャーな植物です。かなり多くの日本人が田んぼで育っているイネを見たことがあるだろうと勝手に思ってます。

もちろんこいつは野生ではあまり(まったく?)見られません。休耕地で育ってるものもいますけど、山や川、池で繁殖して困ってるという話は聞いたことがないです。人間が作った「田んぼ」という環境でのみ育ってます。ということで、こいつの学名は野草関連の図鑑ではあまりみかけないですね……。今回も山と渓谷社『野に咲く花』という図鑑でも属名が書かれてるだけでした。Googleで検索してみた結果、「品種改良技術」というページに学名があったので、それを書いてみた次第です。ちなみにそのページは特許庁のページ内のもののようです。

写真その2

稲穂2002年8月10日撮影。稲穂が出てます。

写真その3

手との比較稲穂と手の比較画像。果実(米)が実ってます。

写真その4

果実の近接画像クローズアップ画像です。ひょろっと飛び出ているのは雄しべ。

写真その5

2002年9月8日撮影。黄色く変色し、実っております。「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」という句を思い出します。作者は誰だっけと思って調べてみたんですけどわかりませんでした。

写真その6

近接画像。このもみ殻をとって、さらに精米して白米になるわけですね〜。

写真その7

田んぼでよく見かける光景。棒の先にビール缶を乗せているのは特に関係ないとして。田んぼって稲が規則正しく並べて植えられているわけですが、少し離れたところに数株ほど固まって植えられているのをよくみかけます。画像のはそれのかなり極端な例です。これって何か意味があるんでしょうか。儀式的なモノなのか、それとも単に余ったから脇によけて植えといたのか。

写真その8

2002年9月21日撮影。刈り取られた稲の切り株から新しい葉がはえています。10月末の状態では稲穂が育ってました。この米はその後どうなるんでしょう?

雑談その1

イネにもいろいろ種類がありますね。普段食べてるのがウルチ米、餅をつくのに使うのがモチ米。この区別は品種レベルなんでしょうか、それより下のレベルなんでしょうか。

1993年、冷夏による戦後最大の不作によりタイ米が輸入された事を覚えてる方も多いと思います。日本のジャポニカ米と違い、粒が細長くて炊いても粘り気が無いインディカ米だったタイ米は非常に不評でした。私はカレーにかけて食ってましたが、あまり買わなかったような記憶があります。これも品種レベルの違いなんでしょうか。

雑談その2

ところであの時のタイ米は非常に不幸でした。日本の今までの米の調理方法にあわなかったからです。タイ米ならではの調理方法がもっと宣伝されてたら……、いや、されててもやはり普及はしなかったかもしれませんね。今まで食べていたものとは全く違う食べ物、という感じでしたから、馴染むまでにはかなりの時間を要するものだったはずです。

米問題については私は全く詳しくありません。

雑談その3

米といえば気になるのがその歴史。原産は中国の雲南省ではないかとかいう話がありましたっけ? 日本での稲作は、私が小学校のころは弥生時代からという話になってましたが、今では縄文時代からすでに稲作が行われてたらしい事が判ってきてますね。「縄文時代」というと青森の三内丸山遺跡(一発で変換するとは>WXG4.0)等、高度な技術を使った人工物が出てきたりしたことで、イメージがかなり変わってきています。1985年ごろ、とあるTVの特集番組で、縄文人の役で出たことがありますが、洞窟に住んでて石斧を振るうというものでした。今あんな演出をしたら馬鹿にされることは必至でしょう。新しい発見があり、研究が進むにつれ、また衝撃の事実が駆け巡るかもしれません。日本の稲作の起源も伝搬ルートもかなり正確に判るようになるかもしれないですね。イネだけでも様々なことを考えさせてくれます。ん〜、何かその手の遺跡も行ってみたいなぁとか思ってみたり。

静岡に住んでた時に登呂遺跡に行ったことがあります。JR静岡駅から歩いて……、かなり時間がかかりました。2.5kmくらいあったかも。けっこう広かったですね。高床式の住居の実物大模型が放火で失われてたような記憶があります。

雑談その4

そういやイネって連作の障害が出ない作物だとかいうのを、中学のときの技術科の本で読んだ覚えがあります。技術科の本だったと思うんですよ、なぜか。多くの作物は毎年同じものを同じ場所に植えつづけると障害が出るため(土地が痩せるのかな?)、別の作物を植えたりしますが、イネは大丈夫なんだとか……、私の記憶なので当てにはなりませんが。

雑談その5

イネも外来種であり、日本固有の植物でないことは間違いありませんが、だからといって問題とされているセイタカアワダチソウやホテイアオイなどの外来種と一緒くたにして論ずるような植物ではないと思います。どこぞの空き地や池がイネで埋めつくされたとか、イネが勝手に生えてきたせいで他の植物が育たなくなったというのは聞きませんし。とはいえもしそういう話があったら教えてくださいね。人間にとって有益か害があるかは関係ないと思います。

イネで問題が出るとしたらイネよりも田んぼを作る際にどれだけの土地を壊すかというところにあるのかもしれません。でも今じゃ減反制作で田んぼは減る一方。

雑談2003年5月20日追加

2003年5月20日追加。弥生時代の開始年代がこれまでより500年ほど遡る可能性が出てきたそうです。ということで水田稲作の開始時期は紀元前10世紀頃まで遡るかもという事で。

国立歴史民俗博物館弥生時代の開始年代についてというページに詳細が載っています。

今回の研究の発表で名前の出てくる国立歴史民俗博物館考古研究部長の春成秀爾氏は、明石原人(旧人)関連に関わっている方です。侵食によってすでに失われた人骨発見現場跡に近い場所で1985年に発掘作業を行い、加工された木材を発見。旧人にあたる人類が居たことを発表しています。

今回の件が発表されたことで様々な方による検証が行われるんでしょうね。土の中に眠り日の目を見るのを待っている真実が今もどこかにあるのかもしれません。

lf-x1@coomaru.com
公開:2002年8月16日
更新:2003年5月20日
正当な引用の範囲を越える無断転載は一切お断り(生物写真画像のみ例外あり)。
Copyright 1999-2007 Mule. All rights reserved. Never reproduce or republicate without written permission.
HTMLメールを送らないで下さい。注意事項を無視したメールは破棄する可能性があります。