兵庫県社町の湿地で見つけたものです。タヌキモと一緒、水中にいました。
糸屑のような感じです。黒い粒のように見えるのが捕虫嚢で、この小さな袋で水中の小さな虫を捕らえて消化吸収します。黒くなっているのはなにか捕えているからです。
明石市の湿地での撮影。7月まではなぜか見られなかったので、もう無くなったのかと思っていました。湿地で、ゆるやかに水が流れているところの泥の中で成長してます。
これは、かなりきつい斜面になっているところで、絶えず水がちょろちょろ流れている、ちょっと大きめの石がごろごろあるところです。石と石の間を縫ってイトタヌキモが生えていました。
この植物も、タヌキモの小型版のような黄色の小さい花を咲かせます。
この植物はなんと絶滅危惧種なんだそうです。その記事読んだ時は「げっ!」としか言えませんでした。育つ時はめちゃめちゃ猛烈に育ちまくるので、絶滅寸前なんて事はないだろうと思ってましたので。
10リットルの容量のバケツに土と水を入れて「バケツ池」なんてのを戸外に置き、水中で育つ食虫植物などを飼っている、じゃなくて育てているわけですが、水面から10cmの厚さで育ちまくってます。まるでイトタヌキモの層ができてるって感じ。ムジナモを育てるつもりで作ったんですが、ムジナモはこのイトタヌキモの層の上でなんとか育ってます。
ところでこのイトタヌキモ、国内では湿地帯のほかでも、街中等で見ることが可能です。熱帯魚屋さんに行った時、水草の入っている水槽の中を見ていると、たまにイトタヌキモが少し混じっていることがあります。水草を東南アジア等から輸入してきたさいに、売り物となる草にイトタヌキモのちぎれた茎等がくっついてたんだろうと思います。
私は数年前に東京都町田市の小田急デパート屋上にある熱帯魚や花を売ってる店でイトタヌキモを見つけました。店の外(屋上)に風呂桶が置いてあり、中にいろいろと植物があったわけですが、その中にちぎれて短くなったイトタヌキモがかなり浮かんでいるのを発見したんです。予定の買い物のついでにそれらを全部タダでもらい、育てはじめました。それがバケツ池で大繁殖したイトタヌキモです。
イトタヌキモにも国産のものと、大きな花を咲かせるアメリカ産のオオイトタヌキモというのがあります。うちで育てたイトタヌキモが花を咲かせた時、これはイトタヌキモか、オオが付くほうか悩みましたがそれはすぐに解決しました。少ししたら大きいのと小さいの両方咲いてたからです。両方混じってたんですね。
しかしこのイトタヌキモはほとんど全滅しました。1999年の夏、エアコンがぶっ壊れた時に水やりを忘れてたためにほとんど水が無くなってしまい……。今はほとんど泥炭のような感じになってしまってます……。底のほうでいくつか生きてると嬉しいんですが。
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