ヤマト1と同じく「陸にあげられた船に意味はあるのでしょうか」という事で死にモノのところで公開してみようと……。
超電導電磁推進船ヤマト1の近くで展示されていた高速船です。カエルみたいですね。ヤマト1が従来の船の形から逸脱しているのに比べて、こちらのほうはぱっと見た目は普通の船っぽいです。……船底を除けば。とはいえ船底も水中翼船っぽいといえばそれっぽいので、ヤマト1よりは地味というか普通っぽいかなと思う次第なのです。私は最初そう思ったんですけど他の人はどうなんだろうか……?
とはいえ実際に船のまわりをぐるぐる回って見るといろいろと面白いところが見えてきました。
この船はヤマト1と同じくスクリューがありません。ただ電磁力を用いているのではなく、ガスタービンを使用、ウォータージェットポンプにより水流を後方へ飛ばして推力を得ています。水上バイクもウォータージェット推進ですが、エンジンは2ストロークのガソリンエンジンを使ってるみたいです。水上バイクって低音がけっこう響いてうるさいんですけど、疾風もうるさいのかなぁ。
でもって速度が出ると浮上して航行。水中には水中翼と没水体のみになり、安定しながらの高速航行が可能になるらしい……。
船底についているミサイル、じゃなくて没水体と言われる部分。船首側から見たところです。先頭に垂直に立っている板がありますが、安定板じゃなく舵でした。
船尾側から見たところ。水平に付いている大きな板、主翼にフラップが付いているのが見えると思います。空でも飛びそうな感じ。
赤と白に塗り分けられていますが、説明板を見ると浮上航行をしているときにこの境目のところが喫水線になるようです。ここから上が全部浮いて走るわけですね。
同じく船尾から。ノズルらしきものが見えてました。たぶんここから海水を噴出するんでしょう。海水の取り入れ口は没水体の底、主翼との付け根付近にあるようです。両脇を囲むように付いてる三日月型の部品は一体なんでしょう? 水流の向きを変えるためのものでしょうか……?
左舷船首からやや後方。曲面に沿って舷窓がゆるやかに曲がってます。この辺の曲がり具合が下品の一歩手前という感じで何ともいえずセクシ〜。
舷窓の下に長方形の窪みがあり、鳥居みたいな棒が付いてます。ロープをくくりつけるためのものでしょうか。形から見て何かを引っかけるためのものだろうと思いますが。単に見た目だけではなく、何か意味があって付いてるんでしょうね。この辺がリアルメカ(なんか変な言い方だけど)の魅力だと思います。……とはいえ設計者の趣味やくせなんてのもいろいろと反映されると聞いたこともありますけれども。
舷窓の後ろにあるハッチ。下についている板は踏み板? ここにもヤマト1のハッチと同じくL型レンチみたいなのが見られますが、これってなんなんでしょうね。開け閉めには直接関係なくて、なにかの調節をするためのものなんでしょうか。わからないことがあったらますは原典にあたってみるのがベストなんですけど、この場合「原典」にあたるものがなんなのかが分からないという……。
マスト付近。船のほぼ中央に付いてます。レーダーや風速計みたいなのがあります。多分そうだと思いますけど間違ってたらすんません。一番上のは何でしょう、アンテナのようなものかな?
船尾。人が歩いて回れるだけのスペースがあるようです。ここにも鳥居のような棒が付いてますね。
船底両側にくさび形のでっぱりがあります。航行時に海水を下へ追いやるためのものでしょうかね。
説明板に書かれてあったスペックなどを書いてみます。
陸上の70kmと水上の70kmでは、乗っている場合でも感覚が全く違いそうな気がします。
ところでこの船、あさりよしとおさん作『まんがサイエンス』5巻に載ってるそうです。ロケットを紹介した時のなら持ってるんですが〜。
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