学名は学研生物図鑑 動物(1996年2月29日 第4刷発行)より
明石公園には種類も数も多くの木が生えてますが、一番好きなのが剛の池から図書館に向かう坂道の途中にある大きなエノキだったりします。木の表面に様々な地衣類や植物がついており、アリやタカラダニ(小さくて真っ赤なダニ)、サシガメ等をよくみかけるからです。
でもってこの木にかかっている「エノキ」と書かれた看板。裏になにか居そうな気がしたので覗いてみたら……。木の表皮の凸凹をじーっと眺めていると、トカゲの体っぽい盛り上がりがあるような気がしたんです。で、撮影したのが最初の画像。暗いせいもあってか肉眼ではよくわからなかったのですが、写してみたらはっきり判ります。この後さっと上に逃げたので、肉眼でもやっと何かいるというのが判った次第。大きさは10cm強という感じでした。
上に逃げた後撮影。顔の辺りをトリミングしたもの。普通のトカゲやカナヘビだと黒目がありますけど、ヤモリは黒い部分が縦長ですね。でもイカやタコ、山羊等の目とも違うような感じがします。
最初の写真画像の前に撮影したもの。看板から下半身が見えているのが判るでしょうか。
2002年10月12日、自宅で撮影。窓ガラスにへばりついたヤモリ。手の吸盤のおかげでうまくくっついてるようです。尾が切れている感じにみえます。これも10cm程度の大きさでした。
この吸盤、台所用品コーナーに売られているような一般的な吸盤(空気の圧力でくっつく)や、摩擦力でくっついているのとは全く違い、ファンデルワールス力と言われる分子間に働く力によってくついてるんだとか。真空中の場合一般的な吸盤では剥がれてしまうけどヤモリは大丈夫。テフロン加工の壁だと吸盤はくっつくけどヤモリはダメ、といった違いがあるようで。……私は実際に試したことはないけど以上のことでよろしいのでしょうか>誰? ちなみにこの仕組みは今後ロボットや接着剤に応用されるみたいです。実用化されると面白いことになりそう。
ヤモリは家を守るという意味合いがありますが、漢字で書く時は一般的には「守宮」と書くんだとか。萌えキャラの名字でそんな娘がいそうな感じ。でもってあだ名がヤモリとか。
ちなみにヤモリは夜中に窓ガラスにくっついて虫を食べる爬虫類で、イモリは水辺に住む両生類です。井戸を守るという意味合いだったような。
こんなに小さくて、人によっては気持ち悪いとか言いそうな生き物に、どこの誰がいつごろ「家を守る」とか「井戸を守る」なんて意味合いで名づけたのかは知りませんが、嬉しくなるような名づけ方やなぁと思います。別に人を襲うわけでもないし、人間の食べ物を食い漁るわけでもない。そんな生き物に対する、愛情のこもった、もしくは洒落っ気、あるいか畏敬をも感じる名づけ方だなと思うのですが。
ところでヤモリの属名のGekkoですが、鳴き声から来ているとか。鳴くんですかこいつも。
WebブラウザMozilla(もじら)等のレイアウトエンジンは Gecko ですが、これは東南アジアに住む30cmほどの大きなヤモリ「トッケイヤモリ」の種小名のようです。ということで学名はGekko gecko。つづりは違うけど発音はどうなんでしょう……。
しかしMozillaの心臓にヤモリの名前というのも妙な感じ。海の向こうの人はゴヂラを単なる爬虫類としか考えていないんだろうなーとか思ってしまうのでした。プロレスしたり放射能を食っちゃったりするゴヂラもちょっとアレと言えばアレなんですけども。
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