クラゲコケムシ(オオマリコケムシ)

情報

クラゲコケムシ(オオマリコケムシ)画像No.1

和名
クラゲコケムシ(オオマリコケムシ)
学名
Pectinatella magnifica
撮影年月日
1999年8月14日
撮影場所
兵庫県社町の池
標準和名はオオマリコケムシになったのかな?

怪説

最初の写真について

Gen-yuさんと学芸員1号さんからのお話により、「クラゲコケムシ(オオマリコケムシ)」だろうとのことが判りました。休芽の画像のトゲが決め手になったようです。教えてくださってどうもありがとうございました!>Gen-yuさん&学芸員1号さん

もうちょっと早めに休芽の画像を掲載しておけばよかったですね。お手数おかけしてすみませんでした。>学芸員1号さん

撮影場所は兵庫県の社(やしろ)町の池です。兵庫県下の河川では1番長い加古川が、町の西の端を流れております。加古川あたりでは数種の淡水コケムシが知られているそうなので、調べてみればもっと多くのコケムシが見つかるかもですね。

コケムシというのはムシと言っても昆虫ではありません。小さな個体が集まって群体ってのを作り、プランクトン等を捕まえて生活してるようです。海で生活してるものが多く、海の無脊椎動物を扱っている図鑑ではコケムシの仲間がいくつか載っているのではないかと思います。今回見つけたのは淡水のもので、寒天質のものをだし、その表面に群体がくっついてます。ここから触手みたいなのが伸びて餌を捕まえたりしてるようですが、触手みたいなものの画像はうちのデジカメでは残念ながら撮ることができませんでした。画像があるとよくわかるんですけどね。

排水などで汚染された水、酸性の強い水では見かけないらしいのですが、光は特に必要ないらしく、淡水コケムシの仲間には水道管の中で育ち、水道管のつまりや悪臭の原因になるものもいるとのことです。

ところで今回、和名を2種類書いています。私が最初に見つけた本『淡水の生物学 *と*の生態学』(タイトル失念)ではクラゲコケムシで出ていました。京都新聞に載った琵琶湖研究所の西野麻知子さんのコメントもクラゲコケムシになってます。淡水コケムシ類の専門家で元立教大学の織田秀実さんはオオマリコケムシの和名を提唱し、図鑑などでも使われています。

どっちを使えばいいのか判断がつきかねますが、このページは、え〜、名前の判らんものは判らんと書いて載せているという、ええかげんなページですので、両方書いておく事にしました。なお、このページでは最初「クラゲコケムシ」の名前で紹介いたしましたので、クラゲコケムシの名前を最初に持ってきて、オオマリコケムシの名前は括弧で括って書いておくことにいたします。

1999年8月14日に初めて見たときに撮った画像です。1mくらいの流木についてました。最初はなにかの卵かと思ったのですが。

写真その2

クラゲコケムシ(オオマリコケムシ)なんなのか想像もつきませんでした。最初はホヤの仲間かと思ったです。ちなみに淡水にはホヤの仲間はいないそうです。海綿の仲間はいるんですが。ちなみにこのHTMLファイルの名前は最初hoya11.htmlと付けてました。サーバ移転の際にindex.htmlにしています。この方が便利。

写真その3

クローズアップ一塊を枝から剥がし、ビニール袋に入れて持ち上げ、近接撮影してみました。しかし今考えたら、よくこんなもの素手で触ったもんだ……。

その後、表面に弁が動いているような動作があるのを確認しています。時折、点のような粒をポンと放出してますが、少し離れた後また戻ってきてます。中にはそのまま離れていってしまう「粒」もあるようですが、これは一体なんなんでしょう?

クラゲコケムシは北アメリカ原産の無脊椎生物で、日本では1972年に山梨県河口湖で確認されたのが最初らしいです。その後琵琶湖等でも確認されてるようですね。

地球外生物といわれても思わず信じてしまうような、そんな奇妙な感じがします。あの手の雑誌の文通欄などで前世は金星人だったとか木星人だったとかいう人が居られるようですが、金星や木星にこんな生き物がいなかったでしょうかね〜。いやいやまったく。

写真その4

休芽休芽と思われるものの顕微鏡画像です。接眼部にデジカメのレンズをくっつけて撮影したものの中から、少しはまともに撮れたものです。

直径が約0.85mmくらいの大きさです。肉眼では黒っぽい粒としか見えませんが、拡大してみると錨のようなトゲが出ているのがわかります。紐のように引っかかっているのは珪藻の類いと思います。

写真その5

トゲ錨のようなトゲの部分の拡大です。

写真その6

休芽の表面の様子先の2枚は下から光を当ててましたが、これは上から光を当ててみました。なんだか目玉のようです。周辺の白っぽいところは拡大してみると、細胞壁のような網の目の模様が見えました。

写真その7

このクラゲコケムシ、寒天質から生えている小さな個体は移動することはないです。というか殆どの種類では個体は移動する事はないそうですが、「アユミコケムシ」という奴は1日1cm〜10cm程度移動するそうです。和名は「歩みコケムシ」ということみたいですね。

写真その8

別の池で1999年9月23日 撮影。場所は神戸市西区押部谷の、溜め池と用水路の間の部分です。

須磨水族館の学芸員さんの話によると、このあたりではクラゲコケムシは普通だとの事。兵庫県南部では溜め池で普通に見つかるらしいです。

流れの中、草に引っかかるようにして半球状のものがあるのが判りますでしょうか。大きさは人の頭くらいです。寒天質表面の模様が実にはっきりしてました。

この日は溜め池を3ヶ所回りましたが、3ヶ所ともクラゲコケムシを発見しました。いつ見ても異様な感じです。なんというか迫力があります。実は押部谷の溜め池にマミズクラゲが出たっていうニュースを聞いたので探しにいったんですが、そっちの方は発見できませんでした。

雑談

今のところ外国の方からメールをもらったのは2回あるんですが、2回ともこのクラゲコケムシに関する事だったりします。ロシアとフランスの方でした。お二人とも英語でメールを送ってくれたのですが、私は日本語しか判らないのでした……。早い事まともな翻訳ソフトが出てくれる事を切に願っております。

この後、外国の方から3通目のメールを戴きました。ch だったのでスイスの方ですね。中身は BadTrans.B だったけど……。ウイルスは嫌です。

リンク

クラゲコケムシ(オオマリコケムシ)に関するサイトがいくつかあります。

オオマリコケムシの話(宮城県内水面水産試験場「さかなの森」内)
宮城県内水面水産試験場
画像は2枚だけですが、なんとクラゲコケムシを食った話があります。まじですか。
キノコじゃないのだ(「Gen-yu's Files」内)
Gen-yu さん
休芽の綺麗な写真画像があります。また別のページでは淡水コケムシの美しい本体の写真画像もあったりします。解説もうちなんかと比べて遥かに専門的で面白いです。

文書更新履歴

2006年9月19日
文書一部削除。
1999年9月23日
文書及び画像を追加。
lf-x1@coomaru.com
公開:1999年??月??日
更新:2006年9月19日
正当な引用の範囲を越える無断転載は一切お断り(生物写真画像のみ例外あり)。
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