1997年の夏だったか、新宿伊勢丹で購入したムジナモです。その前は水槽で育てようとしましたが失敗。 次に容量10リットルのポリバケツで育ててみたところ大成功しました。
一旦育てるのに成功すると、ワイングラス等でも育てることができました。水質はPH8を超えてしまいましたがそれでも育ってました……。
冬場は冬芽のみになりますが少し暖かくなると茎を伸ばしはじめます。
水中で生息する食虫植物には「タヌキモ」の類いもいますが(画像には「イトタヌキモ」も写ってます)ムジナモはこれらとは違った捕虫方法をとります。タヌキモが袋状の葉に獲物を吸い込むのに対し、ムジナモはハエトリソウみたいな二枚貝のような葉で一瞬のうちに挟み込んでしまいます。
日本では1890年、牧野富太郎氏が東京の江戸川の河川敷をふと覗きこんだら見つかった、という話で有名です。その筋で有名。
日本の自生地は淀川等数ヶ所で見られたものの次々に絶滅、最後まで残った埼玉県羽生市の宝蔵寺沼でも1966年、国の天然記念物指定をうけた直後に台風14号の水害でほとんどが流出、1967年にわずかに残った株も農薬等の水質汚染で完全に絶滅しています。(以上は『食虫植物研究会々誌 第37巻第2号(通巻116号)、小宮定志氏による「羽生市ムジナモ保存会の再発足と活動経過について」』を参考にしてます)
ただ、ムジナモ保存会や食虫植物研究会の方が栽培方法を確立して育てていたものがあったため、種としての絶滅は免れ、現在も宝蔵寺沼や近くの学校等で栽培、増殖が行われています。現在栽培品として入手できるムジナモは殆ど宝蔵寺沼産のものというのを聞いた覚えがあります。
世界ではアフリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、インド、シベリア、インドネシア等広範囲に生息してますがいずれも点在しており、さらにかなりの自生地で絶滅が伝えられているようです。
2000年6月4日、午前中に撮影。最初の画像から1年以上。冬も無事に越し、再び成長と分列を始めています。
ただ、このムジナモ達は私の不注意で全て枯らしてしまいました。2001年夏、知り合いに頼んで新宿の伊勢丹で購入、郵送してもらい、再度育てている最中です。
2000年6月4日、午後に撮影。こうしてみると確かに動物の尻尾のようです。茎を中心に捕虫葉が車輪のようにくっつき、3次元的ともいえる感じです。
対してタヌキモは平面、2次元的に伸びていくという感じでしょうか。
2002年5月30日に撮影。ムジナモがカイミジンコを捕まえまくってます。黄色っぽいラグビーボールみたいなものが捕虫葉の中に入ってるのが判ると思います。右上に見える緑色のつぶつぶはミジンコウキクサです。
先程の拡大画像。カイミジンコが入ってるのが判るでしょうか。
これからカイミジンコは消化、吸収されていきます。
水中での捕虫葉の閉じる速度は……、1/60秒だったかな……、なんかハエトリソウと比べても無茶苦茶早かったような気がします。捕虫葉はハエトリソウより格段に小さいものの、空気中よりも抵抗が大きい水中でこのスピードが出るんですから大したもんだと思います。
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